AGA治療薬を服用している方が特に注意しなければならないのが、他の医薬品やサプリメントとの「飲み合わせ」です。私たちが口にする薬やサプリの多くは、AGA治療薬と同じように、肝臓で代謝されるプロセスを経ます。そのため、複数のものを同時に摂取すると、肝臓はそれらすべてを処理しなければならず、仕事量がパンク状態に陥ってしまう可能性があります。これを「薬物相互作用」と呼び、予期せぬ副作用や、肝機能への過剰な負担を招く原因となるのです。例えば、市販の風邪薬や頭痛薬に広く含まれている「アセトアミノフェン」という解熱鎮痛成分は、用法用量を守れば安全な薬ですが、大量に摂取したり、アルコールと一緒に飲んだりすると、重い肝障害を引き起こすことがあることで知られています。AGA治療で常に肝臓に仕事をお願いしている状態で、さらにアセトアミノフェンを追加することは、肝臓への負担を上乗せすることになるため、注意が必要です。また、「健康のため」と思って摂取しているサプリメントも、決して例外ではありません。肝機能改善を謳う「ウコン(クルクミン)」や、ダイエット目的で利用される海外製のサプリメントなどが、逆に肝機能障害を引き起こしたという報告も少なくありません。サプリメントは食品に分類されるため、医薬品ほど厳しい規制がなく、品質が不確かなものや、体質によっては肝臓にダメージを与える成分が含まれている可能性も否定できません。AGA治療中に、風邪などで他の薬を服用したい場合や、新たにサプリメントを始めたいと考えた場合は、絶対に自己判断で行動しないでください。必ず、AGA治療薬を処方してもらっている医師や、かかりつけの薬剤師に「今、この薬を飲んでいます」と伝え、飲み合わせに問題がないかを確認することが、あなたの肝臓を守るために不可欠なルールです。
薬やサプリの併用で高まる肝臓への負担