薄毛の悩みは、男性特有のものであるというイメージが根強くありますが、実際には多くの女性も髪のボリュームダウンや分け目の広がりといった問題に直面しています。女性に見られる薄毛の症状は、FAGA(Female AGA)や女性型脱毛症と呼ばれ、その発症メカニズムや進行パターンは男性のAGAとは異なる特徴を持っています。では、女性における薄毛の発症割合はどのくらいなのでしょうか。明確な全国統計はありませんが、一般的に、成人女性の約10%が何らかの薄毛の症状を抱えていると言われています。そして、この割合は年齢とともに増加し、特に40代以降、更年期を迎える頃から悩む人が急増する傾向にあります。ある調査では、60代以上の女性では3人に1人が薄毛を気にしているというデータもあります。FAGAの最大の特徴は、男性のAGAのように生え際が後退したり、頭頂部だけが禿げ上がったりするのではなく、頭部全体の髪の毛が均等に細く、薄くなる「びまん性脱毛」という状態を呈することです。分け目部分の地肌が透けて見えるようになることで、最初に異変に気づくケースが多く見られます。その原因は、男性のAGAと同様に男性ホルモンの影響も一因とされていますが、それ以上に大きく関わっているのが、女性ホルモンである「エストロゲン」の減少です。エストロゲンには、髪の成長期を長く保ち、髪を豊かに育む働きがあります。しかし、加齢や出産、ストレスなどによってホルモンバランスが乱れ、エストロゲンが減少すると、相対的に男性ホルモンの影響が強まり、薄毛が進行しやすくなるのです。また、男性のAGAに比べて、過度なダイエットによる栄養不足や、鉄分不足による貧血、甲状腺疾患など、より多様な要因が複雑に絡み合って発症することも特徴です。女性の薄毛は、決して珍しいことではありません。その割合を知り、悩みを一人で抱え込まず、専門のクリニックに相談することが、解決への第一歩となります。
悩むのは男性だけじゃない?女性の薄毛(FAGA)の割合